抄録
近年、温室効果気体の中で最も濃度の高い二酸化炭素を減少させるために、富栄養でありながら鉄が欠乏している海域に鉄を散布し植物プランクトンを増殖させ、炭素を固定させるという試みがなされている。植物プランクトンの増殖に伴い生物活動が活発になると考えられ、様々な生物化学的な反応により生成・消滅する化学成分の挙動を把握するために非常によい環境にあるといえる。本研究では、船上で鉄散布に伴う温室効果気体濃度の変化を測定するため、溶存気体自動抽出装置(AMEXs:Automatic Methane and nitrous oxide EXtraction System)を開発した。本発表ではその測定法と、実際の船上分析結果を亜酸化窒素について紹介する。