抄録
本研究では、陰イオン交換樹脂を用いて岩石からタングステンを高回収率で分離することに成功した。現在、地球化学におけるタングステンの用途は、ハフニウム-タングステン年代測定法による放射壊変元素としての役割が主流である。そのため、従来から内部補正法が用いられてきた。しかし、内部補正法は天然におけるタングステンの同位体組成の変動を補正している。岩石中に含まれるタングステンをほぼ100%で回収し、他元素を用いて外部補正法を使用する。年代情報に加えて、タングステン同位体分別機構に対する新たな知見を得る。