抄録
本研究は、2002年、種子島沖泥火山域で大水深地化学探査航海の一環として行われた。この研究の目的は、堆積物中の間隙水の採取と、得られた試料の地球化学分析を行うことで、泥火山域における海底下のメタンポテンシャルやその起源、由来深度、そこでのメタンハイドレートの存在可能性の有無、間隙水流体の起源や堆積物内の移動過程を推定することである。これらを解明するために、得られた試料に含まれるメタン濃度および炭素安定同位体比、その他の化学組成(塩化物イオンと硫酸イオン)や間隙水の水の酸素・水素同位体比などのデータを組み合わせることで解析を行った。