抄録
わが国の10地点における1年間(2003年12月から2004年11月)の観測により、12微量元素(As、Cd、Cr、Cu、Hg、Mn、Mo、Ni、Pb、Sb、Se、V)の年間湿性および乾性沈着量を測定した。この調査では、降水および乾性沈着物(粒子・ガス)をそれぞれ降水サンプラーおよび水盤方式のサンプラーから構成される湿性・乾性沈着物サンプラーを用いて、半月毎に採取した。本発表では、わが国における上記微量元素の年間湿性および乾性沈着量の実態をはじめて明らかにするとともに、それらの地域変動をもたらす要因について考察する。また、鉛については、湿性および乾性沈着物の鉛同位体比の測定値よりその発生源を評価する。