抄録
昨年、カリウムホウ酸塩鉱物合成実験から二相分配理論に基づいてホウ素同位体交換反応の平衡定数(KB)を解析し、真空中での計算値KB=1.0194(25 ºC)より大きな値が得られたことを報告した。
本報告は、カリウム以外の系(Li, Na, Mg, Ca)での実験結果を含めたより詳細な解析を行った。また、水和およびポリホウ酸イオンの形成によるKBへの影響を考察するため、分子軌道計算によりホウ素化学種およびその水和状態の換算分配関数比(RPFR)を計算した。得られたRPFRからKB(cal)を求め、実験結果を解析して得られたKB(exp)と比較した。