抄録
OHラジカルは短寿命で低濃度であるが大気中微量成分の中でも、特に反応性が高く大気における酸化反応で中心的な役割を果たす。OHラジカルを生成する光化学反応は過酸化水素、亜硝酸イオンの光分解、およびFenton反応が知られているが、OHラジカルの研究についてはこれまで気相反応に研究が集中しており、大気液相中での生成過程についてあまり理解されていない。特に、エアロゾル中のOHラジカルについてはAnastasio and Jordan (2004)の極地域の報告があるのみで、その濃度および生成過程はほとんど理解されていない。そこで、本研究では、非工業地帯であり、四方を海で囲まれた沖縄で行うことにより、エアロゾル中で起こる酸化反応の知見を得ることを目的に研究を行った。