抄録
大気中に存在するC2-C5非メタン炭化水素は大気中での輸送、混合、光化学プロセスを研究するための指標として用いられてきた。hydrocarbon clockはある化合物が大気中に放出されてからの時間、即ちphotochemical ageを推定するために用いられてきた手法であるが、混合比の計測に基づいたこの手法は致命的な欠点を持つために、目的に対して不明瞭な結果を与える手法であった。近年、このhydrocarbon clockの概念は安定同位体比計測に基づいたisotopic hydrocarbon clockへと発展され、従来法の抱えていた問題点が解決された。本研究では今までに行ってきた観測から得られた非メタン炭化水素の同位体データセットから、実際の環境条件下において想定し得る誤差を考慮することで、isotopic hydrocarbon clockの使用法について考察を行う。