抄録
生物地球化学的な窒素循環を理解するには大気の窒素同位体比を知ることは重要である。特に太古代のケロジェンの窒素同位体比は現世の一般的な海成有機物の窒素同位体比とは大きく異なるので、当時の窒素循環を解読するためには太古代の大気窒素同位体比を推定することが重要となる。しかしその値についてはいまだ定説がない。そこで本研究では太古代海底熱水脈岩石試料の流体包有物の窒素同位体比を測定し、30億年以前の大気の窒素同位体比を推定した。また推定した大気窒素同位体比と同時代のケロジェンの窒素同位体比を比較して当時の窒素循環を議論した。