抄録
希土類元素とシリカの相互作用は、地球化学のさまざまなプロセスにおいて重要である。例えば、チャート生成過程での希土類元素の取り込み過程である。希土類元素パターンは、地球の進化や物質移行を調べるツールとして広く用いられるが、チャートが示す希土類元素パターンの微量元素組成がどのように決定されるのかを、基本的な素過程から研究した例はほとんどない。本研究では、希土類元素を添加することで非晶質シリカの溶解がどのくらい促進されるのかを経時的に追った。シリカの濃度測定には、ケイモリブデン酸法を用いた。また、レーザー誘起蛍光法でEuの化学状態を調べた結果は、水和数が時間の経過とともに大きく減少した。さらにEPMAでシリカ表面を観察すると、希土類元素はシリカ表面から5μm内に分布し、取り込まれている様子がみられた。希土類元素がSi-Oを効果的に切断し、シリカ表面に新たな相を形成していることが考えられる。