抄録
現在、日本に存在するダムは3000を越え、それらが河川水中の物質循環に与える影響は小さくない。本研究では、木曽川水系富田川にあるダム湖(三森山湖)を対象とした。三森山湖は、比較的小規模なダム湖であり、生活排水等の人間活動に起因する栄養塩の供給がない湖である。同湖において、流入水、湖水の溶存成分濃度を調査し比較することで、ダム湖での溶存成分の濃度変化を観察し、その原因を考察した。シリカ、硝酸イオン濃度は、流入河川に比べ、ダム湖で低濃度を示し、濃度の低下度合いは季節変動を示した。これは、主に珪藻の消費によるものと推測される。その他、鉄・マンガンについては、秋から冬にかけてダム湖で濃度増加が見られた。鉄は、流入水に比べ、ダム湖で最大10倍、マンガンについては30倍もの濃度増加が確認された。これらの原因について考察する予定である。