日本地球化学会年会要旨集
2005年度日本地球化学会第52回年会講演要旨集
セッションID: 1B14
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海洋
SPME法による海洋生物起源物質DMSの長期保存法の確立
*坂本 愛仁木 拓氏渡辺 豊
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抄録
DMSの従来の測定法(パージ&トラップGC-FPD法、P&T)は現場に対して優れた方法であるが、船上での観測時間の制約から、測定数に限りがある。もし、サンプル保存が出来れば、DMSデータ取得数が増え、時空間分布等の把握も容易となる。そこで、本研究はP&Tに代わる抽出濃縮法としてfiberのみを使用するSPME (固相マイクロ抽出)法に着目して、DMSの抽出、長期保存法の検討を行った。また、この方法は、気液平衡過程を含むため、気_-_液相間の分配比への塩分効果も検討した。その結果、20日間の保存率が96.1±5.7%(n = 6)で、現場(0日)の測定値とも有意な差が見られなかった(r2 = 0.85, p<0.0001, n = 14)。塩分効果は、14.9nM DMSで0.1nM /‰-Salとなり、外洋では影響が少ないことが示唆された。よって、この方法は十分に長期保存が可能な方法であることがわかった。
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© 2005 日本地球化学会
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