抄録
沈み込み帯においてマントルウェッジで生成される蛇紋岩は、島弧火山が形成される際に必要な水の運び手となる。マントルウェッジでは、沈み込んだプレートから放出された水がかんらん石と反応して蛇紋石を生成するため、蛇紋石にはスラブ起源の希ガスが含まれている可能性がある。 そこで、沈み込んだプレート由来の流体の寄与が示唆されている、高知県に存在する黒瀬川構造帯の蛇紋岩の希ガス同位体組成を測定したところ、沈み込み由来の希ガスを含むと考えられると思われる高濃度の希ガスが検出された。測定した蛇紋石は60kmから150kmの深部で安定なアンティゴライトという鉱物で構成されていることから、沈み込み由来の希ガスはこの深度まで持ち込まれている可能性が示唆される。