抄録
地球化学的データから、関連過程や物質源を抽出する方法として、多変量解析が挙げられる。その中でよく用いられる方法の一つに、主成分分析が挙げられる。主成分分析では、あるベクトルに投影された観測データ変数の分散を最大化あるいは最小化し、かつお互いに無相関となるようなベクトルのセットを求める。このベクトルのセットは主成分とよばれ、データ変数の分布が正規分布に従う場合には、主成分はお互いに独立である。したがって、データから独立な過程やソースを抽出する有効な手がかりとなりうる。しかし多くの地球化学データの場合、分布は正規分布とならず主成分は互いに独立ではない。むしろ、データの正規分布からのずれに基づいて、独立性・独立な過程・ソースを探る必要がある。そのような方法である独立成分分析の地球化学データへの適用可能性について議論する。