抄録
12種類の炭素質コンドライト隕石について4段階の酸溶出実験によって得られたフラクションの高精度バリウム同位体測定を行い,同位体組成の変動について考察した。試料の多くには,137Baと連動した135Baの同位体過剰が見られ,その初期太陽系中に混入したs-過程およびr-過程原子核合成成分の付加によるものと思われる。CI隕石であるOrgueilにおいては特に顕著な135Ba同位体の過剰分が認められた。これについては消滅核種135Csからの壊変による可能性が考えられるため,現在,Ba/Cs濃度比との相関に関する詳細な検討を行っている。