近年の研究により大気中水素分子(H2)は間接的な温室効果ガスであることがわかってきた。H2のソースとして化石燃料やバイオマス燃焼など人為的なものが40%程度を占めていると考えられているが未解明の部分も多い。またH2の特徴として放出源毎に大きく異なる安定同位体組成を持つため、大気循環とレーサーとして水素同位体組成は大きな力を発揮する可能性がある。そこで本研究ではH2の安定同位体組成定量法を開発するとともに、都市大気中H2の濃度および水素安定同位体組成の短期的な変動を求め、都市大気中における水素の挙動や起源を解析した。