炭化水素の炭素同位体組成から堆積物中の有機物の起源を考察する。堆積物試料はカナダ・バンクーバー沖、Cascadia Margin ガスハイドレート地域においてIODP Exp311航海中に採取された。堆積物中の有機物の起源にはメタンの生成と消費に関与する微生物や従属栄養的な微生物(クロセタン、PMI、ホパノイド)、異地性有機物として陸上植物(長鎖n-アルカン、ステロイド)や海洋藻類(ステロイド、長鎖アルケン)などの寄与が考えられ、バイオマーカー分子分布と炭素同位体比から有機物起源と、その埋没深度の増加(300 mbsfまで)による変化、微生物活動を明らかにする。