河川水とため池水、海水における低分子アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド)を測定した。低分子アルデヒドの定量にはDNPH誘導体化法とオンライン濃縮HPLCを用いた。河川水や海水中のホルムアルデヒド、アセトアルデヒドはおよそ100nM以下であるのに対してプロピオンアルデヒドはすべての天然水試料において検出限界(1nM)以下であった。また日中に濃度が高く、また海洋では表層で高濃度であった。
これらの低分子アルデヒドの動態を考察するために、光化学的生成速度や暗所での分解実験を行った。天然水に光を照射するとそれぞれのアルデヒドは光化学的に生成した。暗所で放置した試料中では、濃度が減少するアルデヒドとそうでないアルデヒドがあった。また、ろ過した試料では暗所での分解は見られなかった。
講演では天然水中の低分子アルデヒドの濃度を左右する要因について考察する。