抄録
静岡県浜松市に位置する佐鳴湖は、1960年代から周辺の都市化に伴い水質汚濁が進行し、2001年度以降は全国湖沼の水質ワースト1(COD値に基づく)となっている。この高いCOD値をもたらす要因は、第一に湖内での植物プランクトンの増殖による高い内部生産にあり、それは高い濃度レベルのリンと窒素に起因している。本研究により、佐鳴湖では夏季における底泥からのリンの溶出負荷量が非常に大きく、河川による流入負荷量の約6倍にも相当するとの結果を得た。また、その低減対策として、佐鳴湖一帯に広く分布する赤色土を底泥表面に被覆する方法を検討した。赤色土はリンに対する吸着能力が大きく、また自然土壌であるため、環境に優しくかつ廉価な溶出低減対策として期待できる。