日本地球化学会年会要旨集
2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
セッションID: 1P12 14-P04
会議情報
陸と海の熱水循環システムの地球化学
鹿児島湾若尊火口熱水域における堆積物の間隙水化学組成
*前藤 晃太郎山中 寿朗石橋 純一郎三好 陽子松倉 誠也大村 亜希子横山 未来岡村 慶杉山 拓千葉 仁
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キーワード: 熱水, 間隙水, 火山
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抄録
鹿児島湾北部に位置する若尊火口の火口底における堆積物の熱水変質作用を明らかにするため、2008年5月に行われたKT08-9航海において5本のピストンコア採泥を行った。 本発表では得られたコア試料のうち既知の熱水域で採取し、船上に揚収直後にはまだコアの下部が暖かかったPC2コアと、海上保安庁により噴気活動の存在が指摘されている海域で採取し、コア半割時に激しい硫化水素臭のあったPC5コアを中心にコアの間隙水化学組成について報告する。 PC2の間隙水化学組成は熱水成分の混入を示すものであった。また、コアには熱水から沈殿したと考えられる脈状のst5ibniteや熱水変質によると考えられる硬化した層が観察された。 PC5の間隙水化学組成からは熱水成分の混入は認められない。しかし、硫酸イオン濃度は深度とともに顕著に減少する。有機物を電子供与体とした微生物的硫酸還元が起こっているためと考えられ、硫化物と硫酸の硫黄同位体比もそれを指示する結果であった。
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© 2008 日本地球化学会
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