抄録
高レベル放射性廃棄物の地層処分に関わる安全評価では、元素の地下水中の挙動の把握が必須である。元素の挙動はそのサイズと化学状態に依存するため、それらに関する情報の取得と評価手法の開発は重要である。しかし大気解放を伴う採水法では原位置の環境を保持したまま元素のサイズ分布と化学状態を決定することは難しい。そこで本研究では地下200mに建設された研究坑道から掘削したボーリング孔 からの湧水を用いて、原位置の環境を保持したままろ過を行い、地下水中の元素のサイズ分布と化学状態に関する情報の取得と評価を試みた。分析対象元素の内、Yはろ過膜の孔径の減少に伴ってろ液中の濃度が減少した。さらに化学種計算の結果から、分子サイズの異なる(有機物錯体の存在が示唆された。本研究で用いた手法により、原位置の状態を維持したまま地下水中の元素のサイズ分布を明らかにでき、化学種計算を組み合わせることで化学状態の推定が可能であることが示された。