抄録
放射性廃棄物中に含まれる放射性ヨウ素(I-129)は,半減期が長く,易動性が高いため,非常に問題視されている.ヨウ素は化学形態によって挙動が異なるため,本研究ではX線吸収端近傍構造(XANES)と高速液体クロマトグラフィー接続ICP質量分析装置(HPLC-ICP-MS)を用いて,水-土壌系で固液両相のヨウ素の化学形態を決定した.試料は千葉県養老地域と鹿児島県屋久島で採取した間隙水および土壌を用いた.養老地域では,ヨウ素は腐植物質などの有機態として土壌へ固定されていた.一方,屋久島は腐植土層よりも鬼界アカホヤ火山灰層においてヨウ素濃度が高く,XANESスペクトルも腐植物質やKIなどとはやや異なっていた.鬼界アカホヤ火山灰層には,アロフェンやイモゴライトなどの粘土鉱物が多く存在するため,ヨウ素はそのような粘土鉱物に吸着している可能性がある.