抄録
Sr同位体比(87Sr/86Sr)の変化を明らかにする研究は、海洋環境変動の解明の上で重要である。この研究は長らく炭酸塩をターゲットにしたものえあったが、500Ma以前の年代になると熱変成などの続成作用により同位体比が大きくばらつき、当時の古海水のSr同位体比の復元が困難な場合がある。そこで本研究では、過去のSr同位体比復元により適していると考えられるコノドントをNanoSIMSにより高空間分解能で局所分析し、これまでの研究では復元が困難であった500Maより古い年代のSr同位体比の変動の復元を目指した。