抄録
加速器質量分析の発展に伴い,二次宇宙線により地表の岩石中に生成するBe-10,Al-26,Cl-36などの長半減期放射性核種は,照射年代や浸食速度などの地形学的な研究に使われるようになった。これまでに石英中のBe-10とAl-26を用いる手法が確立し,様々な試料に対して応用が行われてきた。しかしながら玄武岩環境など場所によっては必ずしも石英が使えるとは限らない。石英以外の鉱物による分析方法を模索することは地形化学的な研究の対象を広げるうえで重要である。そこで,我々は他の鉱物の候補としてマグネタイト(Fe3O4)に着目した。本研究では,宇宙線照射年代がBe-10の半減期より十分長いことで知られるチリ・アタカマ砂漠から採取した岩石を分析することにより,マグネタイトの地形学的な研究への可能性について検討したので報告する。