抄録
イラン北西部は,アルプス~ヒマラヤ造山帯の中間に位置し、活発な造山帯である。その中に,白亜紀~第四紀にかけての火山活動がみられる。いずれもNW-SE方向に延び、Sanandaj白亜系火山活動帯(SCV)、Sonqor-Baneh火山活動帯(SBV)、Hamedan-Tabriz火山活動帯に区分される。SCVは主として塩基性~中性の海底火山活動産物にカルクアルカリの性格が付与された岩石、SBVは玄武岩、斑レイ岩にソレアイト系の噴出岩を伴う。HTVは中新世から第四紀にかけて活動した。これら火山岩の地球化学的性質と分布から,この地域のテクトニクスを論じた。