世界で最も高緯度に位置する、日本の壱岐サンゴ礁より採取されたキクメイシ属サンゴ骨中の酸素・炭素同位体比を分析し、中緯度域における高時間分解能古気候アーカイブとしての可能性を検討した。まず試料は莢壁と軸柱の骨格構造別に分析し、その結果を生育時の環境記録と対比・検討を行った。この結果、軸柱と莢壁は形成のタイミングが異なっており、キクメイシ属サンゴの場合、莢壁の方がより正確に環境を記録することがわかった。また本研究で用いたサンゴ骨格は、骨格構造自体にも成長パターンの季節的変化が見られた。これらの成果を基に、さらに長期に渡る骨格分析を行い、これらを周辺の環境と対比・検討したのでその成果を報告する。