日本地球化学会年会要旨集
2009年度日本地球化学会第56回年会講演要旨集
セッションID: 1B09 12-09
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古気候・古環境解析の地球化学
硬骨海綿骨格中の鉛同位体比を用いた海洋鉛放出源の時系列変動
*大森 一人渡邊 剛谷水 雅治松岡 淳井上 麻夕里白井 厚太朗
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抄録
硬骨海綿とは塊状の炭酸塩骨格をもつ海綿動物の総称であり、その多くは海底洞窟やサンゴ礁付近のクレバスなどの暗がりに生息している。硬骨海綿は生息深度が幅広い(5~600m)・成長速度が遅い(0.2~1.5mm/year)・長寿命である(700年以上)という固有の特徴を有することから、新たな古環境記録媒体としての有用性が検討されている。演者は本研究に先駆け、硬骨海綿の1種である(Acanthochaetetes wellsi)のHigh-Mg calcite骨格を沖縄県久米島で採取し、骨格内の多元素濃度測定を行なった。その結果、硬骨海綿骨格内には他の生物源炭酸塩骨格と比較して鉛元素が非常に高濃度(2~11ppm)で濃集されていることが明らかとなり、さらに特徴的なピークが確認出来た。このような生物源炭酸塩骨格内の鉛元素は、主に鉛鉱山の採掘や有鉛ガソリン等による人為起源の鉛が起源であると考えられている(Desenfant et al.,2006ほか)。これを踏まえ、本研究ではさらに硬骨海綿骨格内の鉛同位体比測定を行ない、生息域周辺の鉛放出源の特定及び時系列での放出源の推移を推定した。
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© 2009 日本地球化学会
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