抄録
地球化学は、様々な試料の元素濃度や同位体組成を明らかにすることで、地球の進化史の解明や物質循環研究、環境問題に対して多大な貢献をしてきた。こうした濃度や同位体組成は、様々な化学的・生物化学的なプロセスの最終結果として得られるが、その反応メカニズムの解明には、化学種の情報が必要である。しかし特に微量元素については、直接的に化学種の情報を得る手段が限られるため、濃度や同位体組成がどのような化学的プロセスで規制されるのかが必ずしも明らかになっている訳ではない。我々の研究グループでは、微量元素の化学状態をX線吸収微細構造法(XAFS)で調べ、得られた化学種の結果が地球化学的にどのような意味を持つかを念頭において研究を進めている。本講演では特に海洋化学を意識して、微量元素と水酸化鉄および二酸化マンガンとの反応に関するこの分野での我々の研究を紹介する。