日本地球化学会年会要旨集
2009年度日本地球化学会第56回年会講演要旨集
セッションID: 1D11 17-04
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惑星・衛星・小惑星の宇宙化学
Orgueil・Allende・Saratov隕石中に存在する炭素質物質のラマン研究
*森下 和彦奈良 雅之甘利 幸子松田 准一
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抄録
様々な隕石中には、始源的な重い希ガスの大部分を担っているQと呼ばれる相がある。酸化剤で処理をするとQガスが放出されることから、Qは炭素質物質であることが定説となっている。最近の研究(Marrocchi et al. 2005)ではHF/HCl処理後のOrgueilをピリジン処理することで、Qガスが抜けるという結果を得ているが詳しい構造は謎のままである。本研究では、顕微ラマン分光法を用いて、Orgueil(CI)・Allende(CV3)・Saratov(L4)のスペクトルパラメータを評価した。Qガスを含むサンプルと、酸化剤・ピリジン処理後のQを含まないサンプルを比較して、どのような違いが見られるかを検証した。Orgueilのピリジン処理前と後のデータではほとんど変化が見られない。ピリジン処理によってaromaticな構造が変化していないことを示唆していると考えられる。一方、酸化剤処理前後では大きく違ったところにプロットされる。AllendeとSaratovの変化の共通点として、G-bandとD-bandのピークの位置が酸化処理後に高波数方向に変化するということが挙げられる。
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© 2009 日本地球化学会
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