日本地球化学会年会要旨集
2010年度日本地球化学会第57回年会講演要旨集
セッションID: 1A17 16-05
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火成岩の地球化学
ロイヒ溶岩の硫黄同位体分別過程
*山本 順司Shimizu NobumichiKurz Mark
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抄録
硫黄は地球中に6番目に多く存在する元素であり,その大部分はコアに分配されていると考えられている.そのため,マントルへのコアの関与を考慮した全地球化学マップを作り上げる上で重要な制約を与える可能性を秘めている.
しかし,マントルを代表する海洋玄武岩の硫黄同位体組成は,古くから分析技術が確立されていながら長い沈黙の時代を経てきた.その理由としては2点考えられる.1つは先駆的な研究によって一様な硫黄同位体組成が報告されており,それらの値が隕鉄に重なっていたことである.もう一つは隕鉄と異なる硫黄同位体組成が得られていても,平衡脱ガスに伴う同位体分別で説明可能な変異であったためである.
しかし,本研究で測定したハワイ島近海のロイヒ海山の硫黄同位体組成は海水混染でも平衡脱ガス分別でも解釈不可能な変異を見せた.
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© 2010 日本地球化学会
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