地球外物質(炭素質コンドライト・彗星など)中にアミノ酸をはじめとする多様な有機物が検出され、生命の起源との関連が議論されている。隕石・彗星有機物は,太陽系生成前に,分子雲中の星間塵アイスマントルに宇宙線・紫外線が作用することにより有機物が生成した有機物をもととした可能性が考えられる。模擬星間物質(一酸化炭素・メタノール・アンモニア・水など)に高エネルギー粒子線を照射すると,アミノ酸前駆体を含む高分子態複雑有機物が生成することが確認されている。このような有機物が,太陽系生成時に,太陽系小天体にとりこまれ,その中でさらに種々の変成を受けたと考えられる。本講演では,太陽系での地球外有機物の変成とその地球への伝搬に関して,特に宇宙塵の役割に関して考察した。また,その検証のための宇宙実験「たんぽぽ計画」についても紹介する。