長良川河口堰における重金属汚染の実態を把握することを目的とし、2009年から2010年にかけて63μm以下の堆積物23試料と水及びけん濁物をそれぞれ6試料採取し、蛍光X線分析装置、グラファイトファーネス原子吸光分析装置を用いて分析した。その結果、場所によっては日本列島地殻平均値に比べて、銅で4倍、ニッケルで2.6倍、鉛で15倍、亜鉛で5倍の濃度に達する堆積物が存在する事が分かった。十分処理されていない下水の流入がその一因と考えられるが、追加堆積物試料の分析や水、けん濁物の分析データを増やす事で、重金属汚染の実態を今後より正確に把握していきたいと考えている。