抄録
Fluffy TypeA CAIのメリライト結晶の鉱物学的組織を解析し,固溶体成分の累帯構造に基づき,酸素同位体非平衡を再検討したので報告する.逆累帯構造をもつメリライト結晶を8個発見し,どの結晶も連続的にオケルマナイト成分(ak5)が3-25%の範囲で変化していた.Wark-Lovering (WL)リムに接していない鉱物間では,それぞれ異なるak組成範囲を示していたが,鉱物間の酸素同位体組成は,分析誤差範囲内でどれもほぼ均一な組成を示した.一方,WLリムに接している結晶3個は、鉱物内に酸素同位体非平衡な分布を示した(Δ17O= -20~ -5‰)。本講演では,累帯構造に基づいて単結晶内に存在した酸素同位体分布の変化に注目し, Fluffy Type A CAIの成因を評価していく。