抄録
伊豆小笠原マリアナ弧では、弧の伸びに沿う方向(南北方向)にマグマ組成、地殻構造、マントルウエッジ構造などに顕著なバリエーションが存在する。その主要な要因は、沈み込む太平洋プレートの組成の不均質性によるスラブ由来物質の違いであると考えた (Ishizuka et al., 2007)。しかしながら実際には、島弧マグマに認められる海洋島玄武岩類似の同位体組成上の特徴が、上記のように沈み込み成分であるとするか、あるいはマントルウェッジ内に存在するマントル成分なのか区別することは容易ではない。最近この点について、示唆を与えうる2つの観察事実を得た(Ishizuka et al., 2010)。