地層中には、炭素数 32 のエチオポルフィリンやデオキソフィロエリトロエチオポルフィリン ( DPEP ) などのアルキルポルフィリンが中心となるが、芳香環を有するベンゾポルフィリンや炭素数 33 以上のアルキルポルフィリンの存在も知られている。当研究室ではこれまでに、これらの形成についてクロロフィルのビニル基が反応に関与している機構を提案してきた。本研究では、地層中でのビニル基の反応を詳細に検討することを目的として、メチルビニルピロール骨格を有するポルフィリンを基質としたモデル地層反応を行った。その結果、ビニルピロール構造からそれらを生成する事を示唆する結果を得た。本発表では、ビニルポルフィリンの反応挙動について、ピロール側鎖のアルキル基の増炭および、モノメチルピロール、ベンゾピロール構造の生成機構について論ずる。