抄録
本研究は,ロシアのバイカル湖から得た過去約28,000年に亘る柱状堆積物を対象に,long-chain mid-chain diols(Mid-chain diols)が古環境プロキシーに成り得るのか否かを明らかにする事を目的とした。まず,過去約28,000年に亘る堆積物中のdiolsは,Free-,Base-3-およびNB-typesの3種の化学形態で存在し,いずれも真正眼点藻を主要な供給源に持つ事が解った。これらの3形態のdiolsの各組成を基にしたいずれのパラーメターも古環境プロキシーには成り得ないが,3形態のフラックスの内,特に,Base-3-type diolsのそれは真正眼点藻の生産量の歴史的な変動を反映していると考えられた。従って,その生産量の支配環境要因を特定できれば,このdiolsのフラックスをその要因に関するプロキシーとすることができると考えられた。