日本地球化学会年会要旨集
2010年度日本地球化学会第57回年会講演要旨集
セッションID: 1E04 05-04
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古気候・古環境解析の地球化学
堆積物を用いた過去30年間の東京湾幕張沖における貧酸素水塊の評価
*小豆川 勝見金井 豊松尾 基之
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抄録
水質観測点が存在しない海域や年代における貧酸素水塊の普遍的な評価方法の確立が本研究の目的である。我々は貧酸素水塊の影響が直下の堆積物中に含有する鉄の化学種に記録されていると推定した。分析に供した堆積物は東京湾で最も強い貧酸素水塊が発生することで知られる幕張沖浚渫窪地から柱状に採取し57Fe Mossbauer分光法、過剰210Pb年代決定法を用いて堆積物の分画毎の分析を行った結果、浚渫窪地内の3層(1980年、1987年、2008年の間に堆積した分画)からヘマタイト(非晶質)を同定した。堆積環境下に最適化されたEh-pHダイアグラムによれば、浚渫窪地内でのヘマタイトの存在は採取地点の貧酸素水塊の規模が縮小している証拠であり、これは採取地点周辺で観測された水質の結果とも調和的である。このことから東京湾内浚渫窪地で過去30年間に発生した貧酸素水塊の弱体化の証拠を堆積物に残る非晶質ヘマタイトの存在から明らかにした。
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© 2010 日本地球化学会
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