抄録
草津白根山は活動的な活火山であり、山頂には「湯釜」、「水釜」、「涸釜」の3つの火口湖を有する。これら火口湖の水質は草津白根山の火山活動に伴い変動している。そこで、水釜湖水において火山活動に伴う特徴的な水質変化が表れていないかを検討した。過去40年以上における水質経年変動より、火山活動の起きた後に溶存成分濃度の上昇が見られた。水釜湖水は火山ガスからの二酸化硫黄や硫化水素の付加や、含硫黄鉱物の溶解で硫酸イオン濃度の高い酸性水質となっているため、カリウム以外の陽イオンは硫酸イオンの濃度変化と良い相関を示している。一方でカリウムは他の陽イオンとは少し異なる挙動を示し、火山活動とともに顕著な濃度上昇を示す。これより水釜においてカリウムの濃度変化が火山活動の盛衰の指標となると期待される。2005年以降のカリウム濃度の継続的な上昇は近年の火山活動の活発化に対応していると考えられる。