抄録
C-14は銀河宇宙線と窒素の(n,p)反応によって大気上層で生成し、光合成によって植物中に取り込まれる。C-14生成量は銀河宇宙線の地球への入射量と相関を持ち、太陽活動の変動と関係する。よって古木などの植物試料中C-14同位体比を測定することで過去の太陽活動の変動を推定できる。一方近年は核実験や原子力発電所の事故等人為的に放出されたC-14の寄与が大きい。したがって近年の植物試料中C-14同位体比を測定することで人為的放出による大気中C-14濃度変動への影響を調べることができる。本研究ではAMS(加速器質量分析計)を用いて樹齢1139年の屋久杉年輪中C-14同位体比を測定し、オールト極小期(AD1000~1100)における太陽活動の変動を調べた。また近年に採取された日本の穀類や、原子力施設周辺で採取された植物試料中C-14同位体比を測定し、人為的に放出されたC-14の影響を調べた。