主催: 日本地球化学会年会要旨集
2011年3月11日に太平洋三陸沖の深さ約24 kmを震源とした東北地方太平洋沖地震が発生し、海上保安庁の観測データにより、海底において最大56 mの地すべりが生じていることが分かった。「しんかい6500」潜航調査(YK11-E06)では、三陸海岸東方の水深約3200 mから5350 mの日本海溝海域において、海底の亀裂や段差および海底からの湧水現象に伴うバクテリアマットの形成などが確認された。そこで本研究では、東北地方太平洋沖地震に伴う東北沖海底堆積物環境変化と冷湧水の存在を化学的に確証することを目的とした。