抄録
湖の堆積有機物は、陸上で生産された外来性有機物と湖内で生産された自生性有機物に由来する。これら有機物の堆積は、湖の河川数、流量、位置や湖内の水流や湖底地形など様々な要因によって影響を受けると考えられる。本研究では、琵琶湖の全域にわたって採取された表層堆積物中の有機物分析を行うことにより、どのような場所に、どのような有機物が堆積しているのかを明らかにすることを目的とする。脂肪酸、リグニンフェノールなど多様な有機化合物を同定、定量した結果、長鎖脂肪酸とリグニンフェノールは、同じ陸上植物由来の化合物であるが、堆積される場所に違いが見られた。長鎖脂肪酸は主に陸上植物のワックスに、またリグニンフェノールは陸上植物の木質部と葉などの非木質部に由来することから、これらの化合物は植物の部位によって堆積される場所に違いがあると考えられる。