抄録
AMS-14C測定では通常1.0-1.5 mgの炭素量(mgC)で測定が行なわれている。しかし近年、?Cレベルでの14C測定の需要が高まっている。本研究では微少量炭素試料のための新たなグラファイト化システムを構築し、まず~0.2mgCでの信頼性のある14C測定の実現を目指した。新しいシステムではグラファイト化の反応を高めるため、1) 反応器の容積の小型化、2) 還元剤H2量の増大、3) 副生成物H2Oの除去を常温冷却からエタノール/LN2トラップ(-90℃)による急冷に変更、の3点の改良を行った。その結果、0.2 mgC以上での信頼性のある14C測定を実現できることが明らかになった。