主催: 日本地球化学会年会要旨集
北大西洋IODP U1308コアで報告した現在から約100万年前までの堆積水銀の気候変動の詳細な研究を行うために,同海域のIODP U1304に着目し,堆積水銀量と石灰質ナンノ化石群集,有機炭素(TOC)量及びその炭素同位体比を測定した。U1304の堆積水銀量変動は,U1308より平均値が約1.5倍高い領域にあり,U1308と同様にTOC量と正相関を示す。その炭素同位体比も同様な領域に分布する。ナンノ化石の上部種/下部種の比は,両コア共に現在から50万年前の若い期間で上部種が増加傾向にある。これらの結果に基づき,北大西洋の氷床拡大縮小と海洋水銀の堆積メカニズムを考察・報告する。