主催: 日本地球化学会年会要旨集
地球システムモデルを用いて、氷期の海水準低下に伴って干出する大陸棚堆積物の再流入を想定して海洋へ炭素と栄養塩を様々な量・比で流入させる数値実験を行い、pCO2の応答を評価した。陸棚堆積物の風化促進によって栄養塩の流入が卓越し、氷期のpCO2低下の一部を説明できるとしたBroeckerの仮説に反して、大陸棚堆積物の風化はpCO2を増加させる働きをもつことを示した過去の氷期-間氷期サイクルにおいて、海水準変動に伴う陸からのCO2・栄養塩輸送の変化がpCO2に関する負のフィードバックとして機能していた可能性がある。