抄録
波照間島における大気中CO2、CH4、CO濃度には大陸からのエアマスの輸送が卓越する冬季に短期的な濃度増加が頻繁に観測され、各成分間の変動には高い相関関係が見られる。2つの短期変動成分を相関プロットした際の傾きは、濃度上昇の起源となった地域の放出量の比を反映すると考えられる。そこで、1998-2010年に観測された冬季の短期変動について、相関プロットの傾き(ΔCH4/ΔCO2、ΔCO/ΔCO2、ΔCO/ΔCH4)を求め、経年変化を調べた。その結果、ΔCH4/ΔCO2およびΔCO/ΔCO2が中国の化石燃料消費量の急増を反映して長期的な減少傾向を示すが、その減少傾向は必ずしも一致しないことが分かった。さらに、ラグランジュ型大気輸送モデルを使った解析から、中国におけるCH4放出量が2005年以降増加傾向にあるのにたいし、COは2005年頃を境に増加傾向から一定もしくは減少傾向に変化した可能性が示唆された。