主催: 日本地球化学会年会要旨集
鉄マンガンクラストの成長ハイエタス仮説の検証を目的に,拓洋第五海山と流星海山のOs同位体分析を行った.いずれの海山でも,試料上部のOs同位体比変動は,現世~15 Ma頃まで海水のOs同位体比経年変動曲線と良く一致した.一方,試料下部のOs同位体比変動パターンは,いずれの海山でも古海水のOs同位体比経年変動曲線と一致しなかった.拓洋第五海山の試料下部に関しては,成長ハイエタスの存在およびアパタイト化による同位体比組成の擾乱が考えられる.流星海山の試料下部では,成長方向が不明瞭であるため,試料下部で成長方向が逆転し,同位体比が上昇した可能性が考えられる.