抄録
松之山温泉は、新潟県と長野県の県境の山岳地帯にあるにもかかわらず、塩分が強く高温の温泉であることが特徴である。その起源としては、地殻の隆起運動によって閉じ込められた海水が、マグマによって温められ、地層の断裂から一気に噴出する「ジオプレッシャー型温泉」であると考えられている。この特異な流体は、地震や地滑りを起こす起因の1つと考えられていることから、断裂系との関係についての研究がなされている。一方、松之山温泉では、温泉を利用した温泉発電の試験が行われている。この際に、発電機の熱交換器部などへのスケール(化学物質の沈殿)の発生が懸念される。本研究の目的は、(1)松之山温泉に代表されるジオプレッシャー型温泉の起源や生成機構を解明すること、(2)温泉発電利用の際に障害となるスケールの沈殿の程度の検討や沈殿防止のための手法を提案することである。