XAFS法による日本と中国の室内塵及び公園の砂に含まれる鉛のスペシエーション

抄録

本研究の目的は、室内塵中のPbの化学形態をXAFS法により同定することである。PbLⅢ吸収端XANESスペクトル解析の結果、日本では土壌起源のPb化学種が約半分を占め、顔料由来のPbCrO4が存在した。この結果、日本のPb汚染源としては室外塵に加え、室内から生じたPb物質も寄与していることが示唆された。一方、中国の室内塵と室外塵ともにほぼ同じPb化学種、割合で存在していた。その結果、中国の室内塵は室外からの寄与が大きいと示唆された。