主催: 日本地球化学会年会要旨集
二次イオン質量分析は高い空間分解能と多元素の高感度な定量が出来るため微小領域の同位体分析において重用されている。しかしながら希ガスはイオン化ポテンシャルが高いことと含有量が微量であることから、天然試料のSIMSでの分析は不可能であった。そこで我々はLaser Ionization MAss nanoScopeを用いて希ガス同位体分析を天然試料に適応するための開発を行っている。この装置は一次イオンビームによりスパッタされた希ガス原子をフェムト秒レーザーによりポストイオン化させることが可能である。従来の希ガス局所分析の空間分解能は100 μm程度であったが、LIMASではサブミクロン(最高空間分解能10 nm)で分析が可能である。この装置を用いてレゴリスブレッチャの太陽風起源希ガスの2次元分布を分析することにより、小惑星表層を覆うレゴリスの形成過程を明らかにすることが本研究の主題である。