主催: 日本地球化学会年会要旨集
大気中一酸化二窒素(N2O)は強力な温室効果気体であると同時に今世紀中最も影響力の強い成層圏オゾン破壊物質であると考えられている。このような地球環境にとっての重要性から、N2Oの全球循環の理解および収支解析を目的とした研究がここ数年非常に活発になってきている。中でも大気中N2O濃度観測の測定精度の向上や全球的観測ネットワークの拡大に伴い、大気化学輸送モデルを用いた研究の重要性は特に高まってきているといえる。発表では、大気大循環モデルをベースとした化学輸送モデルを用いて、上記の成層圏-対流圏交換に関する検証、逆計算による地域毎のN2Oフラックスの推定、そして大気中N2O同位体のモデリング等を行って最近得られた研究結果について発表する。