抄録
水溶液中のホウ素について圧力による分子周りの水和構造変化に着目し、B(OH)3分子及びB(OH)4-分子周りの水和構造の圧力変化を分子動力学的に調べ、同位体分離係数の圧力依存について検討した。その結果、100MPaまでの圧力範囲では、動径分布関数や水和数に大きな変化は見られなかった。このことはこの圧力範囲ではバルクの水和構造や配位数に変化はなく、水和構造変化に着目したB同位体効果への圧力影響は無視しうるものと考えられた。ただし、分子軌道法計算結果によると、固相に吸着したB(OH)4-水和物の水和数減少に伴ってB(OH)4-のRPFRが増加したことから、固相での脱水作用がRPFRに影響を及ぼすと考えると、高圧下における水和数変化がB同位体分別に影響を与える可能性がある。